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野菜栽培の参考書
07.03.20

初めて本格的な(?)野菜栽培の参考書を読みました。
今までは「野菜栽培の○○」などというHOW TO本とHPを見ていただけでした。
読んでみて驚いた。今までの栽培がいかにいい加減だったか!
農の専門は当然あると思っていましたが、私の知識が以下に幼稚園並みかということをいやというほど思い知らされました。

最近の本は買ってみてがっかりするものが多い。(実際私が持っている「野菜栽培の○○」などHPの方が正確だったりしてがっかりさせられる代物です。)
本全般もそうですし、本屋もひどい。まともな本屋に並んでいる本でもひどい本が結構多い。買って読んでみて「金返せ!」ってやつが。
出版社がそろばん勘定を優先して、編集者が育っていないんでしょうね(本当に編集者は何を考えているの?っていいたい本が立派な出版社のものにもあります)。消費者がつまらない本を買うからまともな本が少なくなるともいえますが。
(*蛇足 岩波やみすずは本当にえらいですね)
最近はまずアマゾンで検索して、図書館で借りて読む。その結果GOODなら購入、NO GOODなら何もしない、というよりも途中でやめて図書館に返すという方法を使っています。

愚痴はこのくらいにして、3冊なかなかの本が見つかりました。

「発酵肥料で健康菜園」 薄上秀男著 農山漁村文化協会

まずこの本です。
著者が面白そうです。筋金入りの発酵信奉者、肥料作りの本ですが最初は身体(病気)のことがしばらく続きます。この本の内容の良し悪しは別として、この部分でまず気に入ってしまいました。自然・ナチュラルというよりも結構過激な自然の肥料、発酵肥料の参考書です。
発酵肥料に関しては微にいり細にいり記載されていますから、非常に参考になります。それほど肥料の本は読んでいないですが、おそらくかなりのハイレベルだと思われます。
「家庭用から大規模まで対応」です。

次に「スローで楽しい有機農業コツの科学」 西村和雄著 七つ森書館

この著者もなかなかの方のようです。自然農法、不耕農法を含めた有機農業の強い推進者といっていいでしょう。多分JAなどとは相容れない方ではないかと推測されます。実際にご自分で実践されていることの集大成なのでしょう。また各地の有機農業を見て歩いているようです。
前記の「発酵肥料・・・」は肥料に特化した本ですが、この本は農全般、フィールドワークについて書いてあります。京大で研究なされているそうですので難しい理論もお得意なのでしょうが、この本では農の基本を非常に分かりやすく解説され、なおかつ説得力のある論理が展開されています。有機を意識されている方なら是非一度目を通したい本だと思いますし、実用的だと思われます。

最後に野菜つくり入門」 戸澤英男著 農山漁村文化協会

この本は前記の「スローで・・・」と違い一般的な農の入門本といっていいでしょうか。
有機に徹するのではなく、比較的そちらに傾くという、多分今の農業の大勢といえる農業の解説本だと思われます。もちろん化学肥料や農薬をバンバン使うのではなく、有機農法も含めた解説、「それなりに有機に近い農業を心がける」 という感じでしょうか。そういう意味で無理のない無難な野菜作りの参考書といえます。
構成は「スローで・・・」よりも細分化され、マルチの使い方など実作業に対し細かな解説が丁寧に(多分作者の人柄が出ているのだと思われます)、分かりやすく書かれています。

以上3冊、著作として優れているというものをとりあげました。
ブームに乗って出ているさわりだけの本を買うなら、値段はほとんど変わらないですのでこういう本を買ったほうがいいと思います。加えて3冊とも著者の人柄がよく出ている本だと思います。そういう点で著者の意欲が強くうかがわれ、筆者の息音が聞こえるようです。この手の本には珍しいことです

以上、興味のある方には是非お勧めします。

 
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