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病気-8 白血球値とにらめっこ  

07.11.21
だいぶ間があいてしまいました。その分記憶が曖昧になってしまっています。

入院したのが8月9日、リンパ腫の治療が始まったのが10月25日。入院生活は既に2ヶ月以上経っていました。
前にも書いたと思いますが、リンパ腫の患部は既に手術のときに除去されており、リンパ腫の治療は「念のため」という要素が大きかったのです。一端退院してその後再入院で治療するということも十分可能でした。

医師からこのことを確認された時、「退院せずに続けて治療する」と気楽に言ってしまったのですが、これは大きな間違いでした。
そのことを尋ねられたのが患部の化膿が分かる前だったのです。ですので入院が4ヶ月にわたるということをまったく考慮せずの返事でした。
4ヶ月の拘束生活はやはりきつい!
狭苦しい病室(特にこの病院はひどい! QLなんぞどこ吹く風の狭さ、おまけに暗さ)で何の変化もない4ヶ月の生活はストレスがたまります。
治療を始める前に一端退院という話をすればよかったのですが、未経験ですし、そんなことに気が回らなかったというのが本当のところ。実際数クールにわたる治療は、入退院を繰り返すのが当たり前ということも知りませんでした。こういう話は病院側から入念に教えて欲しいものです。

さて治療の方ですがもっぱら白血球との戦いというのがふさわしいかと思われます。
2クール目だったと思うのですが、頭髪の脱毛(実は全身でした)が始まったことを除けば、何かをしているという実感、つまり何らかの変化を感じるのは白血球数値の上下だけです。
更にこの数値を強く意識させる要素に、自宅外泊がありました。白血球数値の上下の合間を縫って自宅一泊という飴のようなものがあったのです。 3週間のサイクルは投薬、白血球の上下、自宅外泊という3つのイベントの繰り返しといって過言ではありません。後はベットの上での暇つぶし。

白血球の検査は(もちろん他の検査も含む血液検査なのですがどうしても影響の大きい白血球の数値だけに関心がいってしまいます)、最初のクールが週3回、その後は週2回、但し振り幅が大きすぎると思われる場合は随時増やすというパターンでした。
記録に残っている数値で 最も低いのが第2クールの1,420、最大が第2クール始めの14,000でした。
第1・2クール は白血球UPの注射をしています。

余談ですが副作用の脱毛、最初は困惑しました。
櫛を入れるとお岩さんのような感じで髪の毛が付いてくるのです。それも均一ではなく抜けるところと抜けないところがある、つまりまだら脱毛なのです。
仕方ないので5分刈りにしました。看護婦さんがバリカンで刈り上げてくれたのです。以前から看護婦さん(失礼今は看護士さんですね)にやってもらえるということを聞かされていました。こういう仕事もやってくれるのだと、ちょっと申し訳ないような気も。
鏡のあるところまで行って刈り上げるのに結構時間がかかりました。

が、問題が発生! 
短くなった髪がまた抜ける。そうなるとどうなるか? 抜けた毛が枕に落ち、それがチクチクと痛いのです。長かったときは感じなかったのですが短いと針のように刺さるのです。
結局次に自宅外泊したときに剃ってしまいました。向かいのベットの人から「剃るときはこ剃刀がいい」と教えてもらった剃刀で。
この患者さん、喉の癌で放射線の治療を受け、食べ物の味を感じないという人でした。普段はカーテンを閉めたままテレビを見ていて、ほとんど口をきく機会がない人でした。どういうきっかけで教えてもらったか忘れましたが、ふらっと家に帰ってしまったり、突然いなくなったと思ったら宝くじを買って帰ってきたり、不思議な人でした。

初めてスキンヘッドというものを経験したのですが、これは怪我の功名、意外にいいものでした。
欠点は冬は寒い、頭に何かが当たると有髪時よりも痛い、その延長で怪我をしやすい。
利点はすっきり、それに頭を洗うのも楽、ふけもなし。
経験するまで分からなかったのですが、なかなか気持ちのいいものです。
これ以来夏は坊主(スキンヘッドは妻が怖いというので短くするだけ)、冬は伸ばすというパターンでやっています。

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